続きです。
朝9時、助産院から大病院に到着
この日は祝日だったので病院の裏口のようなところから入りました。
男性の警備員さんが対応しています。
車いすで力なく、うなだれている私。
星野先生が保険証を出して、書類の提出して、・・・・書類の不備を指摘する警備員さん。
「書類とかまーじでどーでもいいから早く連れてけぃぃぃぃ！！！！！」
と心底思いました。
パパっと対応せんかい！！！おお！！
こっちは陣痛で意識が朦朧だぞ！！！おおおおお！！
私はとっさに演技をしました。
「うわぁぁぁぁ！もうむり～！！！！はやく、はやくーーー！！！」
人間、ピンチのときは真っ先に自分を優先してしまうものなのですね。はは。
慌てて電話をとり、警備員さんは看護師さんと話しているようです。
「しょ、書類はあとにして、先に患者さんを通します」と、警備員さん。
ヨシっ。
星野先生に車いすを押してもらい、病室を目指します。
着いた～・・・・よかった・・・。
LDRという陣痛から分娩までを過ごす部屋に入り、ベッドに横たわり、病院の医師を待ちます。
が、こない。
こない。
30分経つ。
こなーーーーーーーーい。
この日は祝日。
しかも満月が近かったせいか、あちらこちらの部屋で出産ラッシュ！
あとから聞いた話ですと、4人がお産をしていたそうです。
祝日の大病院はとにかく待つ、忍耐の修行
30分を過ぎたころ、ついに、医師がきてくださいました！
私には光を放つマリア様のように見えました。
マリア様は子宮口や赤ちゃんの心拍の状態の確認。
そこからまた待ちます。
結局、子宮口を広げる注射を打つまで1時間待ちました。
さらに、打ってから効果が分かるまで1時間。
マリア様ぁ・・・。
普段、待つことに対して滅多に怒ることのない私が｢まだ？！まだ！？｣と連呼していたことに主人も驚いていたそうです。
あと少しで「ここはディズニーランドの何のアトラクションですか？」とスタッフの方に聞くところでした。
しかも子宮口を広げるお薬の効果はあまりなく( ；∀；)、陣痛促進剤を打つ方向に話が進みます。
赤ちゃんの心拍数が落ちないうちに産むのが最優先。
余談ですが、この状況で赤ちゃんの心拍数が落ちてたら間違いなく帝王切開になっていたとあとから教えてもらいました。
赤ちゃんの生命力に驚かされます。
促進剤を打っても私には効かなかった
一歩間違えれば子宮が破裂することもある陣痛の促進剤。
薬には頼りたくなかったのですが、そうも言ってられない状況なのは分かります。
促進剤を打つことに同意しました。
少量ずつ、点滴を通して打ちました。
効くかなーまだかな～
あれー？全然陣痛強くならないよ～
効かない。
陣痛の痛みは変わらず、少量2回目。
ん？効かない。
3回目。
効かなーーーーーーい。
少しずつ増やしていきますが、変わらない。
後日、星野先生が｢いずみさんには（促進剤は）全然効かなかった｣と言っていました。
結局、促進剤を最初に打ってから、6時間微弱な陣痛が続きました。
その間、主人に抱きかかえられ部屋の中を歩き回ったり、横になったり
陣痛を促すように体を動かすようにしました。
声を出さないと耐えられない陣痛は続いています。
「う・・きた・・・（陣痛）」と言って、主人に腰をさすってもらったりしていました。
お産に関わる仕事をしているオーストラリア人の友人のミシェルも同室にいました。
実はミシェルは主人と同じように、助産院に到着してからずっと寄り添ってくれていました。
ときに、主人以上に心強く（主人には言えない。笑）、助産師さんと同じように辛い時間をサポートをしてくれました。
ホメオパシーの知識を持っている彼女は陣痛のときにレメディ（ホメオパシーの薬）を飲ませてくれたり、安心させてくれる言葉をかけてくれたりしました。
促進剤を打ってから、星野先生は他の妊婦さんを診なくてはいけなくなり、一旦病院を離れました。
信頼している星野先生はいなくなりましたが、同じように信頼してるミシェルが傍にいることはどれだけ心強かったでしょうか。
あと少し！お股にいる赤ちゃんの頭に触ってみた
このとき私は「この状況に終わりはあるのだろうか・・・」と痛みが始まって約２日が経ち、永遠に続きそうなこの痛みの終わりを想像できませんでした。
そんなことを考えていた夕方4時、段々陣痛が強くなってきました。
前駆陣痛が始まってそのまま本陣痛に突入してから45時間、助産院に到着してから20時間、病院に到着して7時間が経っています。
陣痛の間隔が1分を切る頃、卵のようなものが股に挟まっている感覚がありました。
なんか、お股が圧迫されている！！
分娩台にあがって、脚を広げて病院の助産師さんが確認しましました。
なんと！！すでに赤ちゃんの頭が3cmほど見えており、主人も確認して驚いていました。
このとき主人がその写真を撮り、あとから私はそれを見てこれが頭・・と驚愕（￣□￣;）
助産師さんから、｢ママ、触ってみて｣と言われ、恐る恐る自分の股に手をやる。
頭と髪の毛が手に触れました・・・！！
赤ちゃんの頭って驚くほど柔らかいのです。
空気の抜けかけたサッカーボールのような、頭とは思えないほど柔らかさです。
『うわ！！すごい！そこまできてる！！』と陣痛を忘れ、感動した私。
そこからはあっという間に分娩が進みました。
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続きます。
読んでくださりありがとうございました(^^)
